再会へ!

SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 "MIKKE"の12/14横浜アリーナ公演に当選したのは8月29日でした。


ここ数年、スピッツファンじゃない人から「スピッツってまだ活動してるの?」って言われたりもしたけど(今年朝ドラ主題歌担当したことで最近は言われなくなった気がする)、まじでスピッツのライブ、年々チケット取りづらくなってる。結成32年目のアラフィフバンドをなめてはいけない。ファンめちゃくちゃ増えてる。今年は朝ドラ効果もあるのかなあ。


今回のMIKKEは特にエグかった。ファンクラブ先行でアリーナ当選して以降、オンライン会員、モバイル会員、ぴあ先行と、どうしても関東圏のホールではチケット取れず、周りにはアリーナすら当たらん…って人もいたレベル。私はその後イベント主催会社の先行でどうにか高崎ホールのチケットを手に入れたので、まだあと一回は参戦機会があるので有難い限りです。

 

私のスピッツワンマンライブ参戦は2018年7月7日のファンクラブイベント以来。アルバムツアーは、5年振り。前作『醒めない』の時はまだ子供に乳あげてる頃だったので、泣く泣く断念…。

なのでワンマンライブ自体久しぶりで、始まるまでずっと実感湧きませんでした。

スピッツのライブと言えばツアーグッズ売り場は激混み、グッズによっては即売り切れるということで、この寒い中朝早くから並ぶ方も多かったみたい。ロッキンですら、3時間くらいでグッズ売り切れてたんだよ。他に売り切れてるアーティストいなかった気がする。

今回のMIKKEグッズは個人的にビビビとくるものが無かったので、それなのに横浜に早くから行くのもな~、寒いしな~、と、早々に諦めた私はいつも通り遅起きして、お昼には家で残り物の鍋を食べ、完全にいつもの土曜日の過ごし方をした。

着ていくものも直前まで悩んで、バンドTシャツどれにしようかな、よりもまず「寒そうだから普通の服でいいかな」と長袖のワンピースに手を通した。でも家出る直前にいやいや腐るほど衣装ケースに詰まってるバンドT、今日着なかったらいつ着るわけ?と思い直してスピTにしました。


今回は入場時にチケット発券する仕組みだったので紙チケットを持つ必要はなし。広い広い横アリの一体どこに座ることになるのか分からないままIC会員証だけ確実に持って、14:00頃に家を出た。電車で約2時間揺られ、16:00過ぎくらいに新横浜に降り立った。

横浜アリーナは4年振り2度目なのですが、たぶんさいたまスーパーアリーナと記憶がごっちゃになって「新横降りたらすぐアリーナ」だと勘違いしていて、駅出ても全然アリーナ見えなくてひとり焦った。でもドキドキしながら周りの人についていったらちゃんと着いた。

横アリに着く頃には入場が開始していて、よく分からぬまま行列に並んだらすぐにスイスイと中へ入れました。入場の際にIC会員証をかざすと紙チケットが発券される方式だったのでこのタイミングでドキドキ。


今回は、、、、


アリーナでした!(横アリではセンターって呼ぶんですね。)


ただ、私は知っている…アリーナは傾斜がない分、席や前の人の身長によっては何も見えなくなるリスクがあるということ…。というわけでこの時点では油断できない。25列って近いと言えるほどの距離でもなさそうだし。


会場入った途端暑くて、ロビーで上着やマフラー等々脱いで半袖になりました。この日はそもそも最高気温16度くらいあって暖かく、結局終始寒い思いはほとんどすることなかった。アリーナの中は広いからきっと冷えるだろう…と思ったのにめちゃくちゃ暖房効いてたし。ヒートテックのせいか汗かいた。そのままロビーで久しぶりに会うファンの方々と少しお喋りして、気付いたら開演10分前くらいになっていて、席につきました。


私の席は田村さん側で、肉眼でも見ることはできるけど、メンバーの表情まで見るとかは無理だな、という距離。アリーナ開催ということで回りはお友達やパートナーと来ている人が多く、いろんなお喋りが聞こえた。こういう時、ひとりで来ている私は手持無沙汰でちょっと居心地が悪い。でもライブ始まっちゃうとひとりの方が好きにできて気楽。ライブ前後だけが寂しい。

開演時間少し過ぎて、会場が暗くなり、『見っけ』のイントロが始まり照明でメンバーのシルエットが見えてきた。私の大好きな三輪さんは、冬なのに!!!!ノースリーブで!!!!


エッロ!!!!


もうこの一言に尽きる。曲聴きながらずっと「私が三輪さんと出逢って結婚できるパラレルワールドってないのかな…どうしたら出逢うことができたんだろう…あと10年は早く生まれないと無理かな…」とか考えてしまい悲しくなった。あの腕の血管に触れられる人生どこ…?

なので『YM71D』の歌詞で

"反則の出会いなんだし 目立たぬようにしてたけど"

って生で聴いたらその後、(反則の出会い…反則の出会い…反則の…)と脳内リフレインが止まりませんでした。

公演中たぶん8割くらい三輪さん見てたんだけど、今回特に、過去曲を演奏するのが本当に楽しそうに見えました。今までは基本的にクールな演奏スタイルでたまにすごく楽しそうになる、って感じのイメージだったけど、今回はロックな曲では結構動いてて笑顔が見られたのが本当に嬉しかった。セットリスト3曲目『エスカルゴ』から4曲目『けもの道』という序盤であんなに笑顔を見せるのは珍しいなとすら思った。今までのライブでは、一番の盛り上がりがくる終盤でやっとロックなお姿を拝見できている気がして。今回は序盤とクライマックスで2回見られたわけですね。なのでもうこの3曲目あたりで私は「なんて最高なんだろう、席がどうとか関係ないわ、楽しそうな三輪さんを見られただけで、この時間を共有できているだけで幸せ極まってる…」っていう感じでした(でも上記のパラレルワールドに想いを馳せて少し凹む)。


今回改めて生で聴いたらものすごく染みたのが5曲目の『小さな生き物』。曲調は優しいんだけど、歌詞と発売時期とを意識するとものすごく色々考えさせられるし、スピッツの存在への有難みが増す。それが、なんで今またこんなに染みたのかな、私自身が何かに負けそうって無意識に思っていたのかな。
優しい歌だと思ってたけど、今回生で聴いていたら、草野さんの声はどっちかというとすごく力強く感じて、もう一言目の"負けないよ"っていうところにすごく実感がこもっているというか。とにかくこの曲が、改めて前に進む力をくれたと思う。5年前とはまた聞こえ方が違った。

あと全体的に『見っけ』のアルバム曲好きだな、と思いました。アルバムツアーの時ってまだそのアルバムとの思い出が少ないし、当然一番聞き込めてない状態だから、途中入ってくる過去曲の方が有難く感じちゃったりするんだけど、そして今回もそういう曲も勿論あったんだけど、でも『見っけ』の曲どれもいいなと本当に思った。『まがった僕のしっぽ』の転調するところとか生で聴くと一瞬で空気変わるし、『快速』の歌詞なんてなんで50歳超えてこんな大学生の青春みたいな感情を言葉にできるの?って思うし、実際自分も学生時代に気持ちタイムスリップしちゃうし、『ラジオデイズ』なんかもう「スピッツ最高です」しか言えないし。『花と虫』も聴きたかったな~と思うけど、でもセットリストまじで隙が無い完璧さだから仕方ない。ちょっともうキャパシティオーバーになるくらい、本当に良かった。

13曲目の『僕のギター』なんて、絶対アリーナでしかやらないだろうなと思った。初めて生で聴いたけど、スピッツの世界観が溢れすぎてる。そしてそれを助長するミラーボールの照明…アリーナ全体に光が舞って、イントロから鳥肌立ったけど、サビに入ったら圧倒されすぎて…。草野さんが神様みたいだった…。

17曲目の『ロビンソン』。もう何百回聴いたか分からないのにそれでもまた「このイントロ作っちゃう三輪さんもう好きすぎて死ぬ…」って思っちゃう。こんな名曲オブザワールドのあと何歌う?って思うじゃん。でも今回もうアウトロ聴いてたら分かった。この後に続けるのは『ありがとさん』しかなかったわ。『ありがとさん』、世間的にはまだあんまりスポットライト当たってないかもしれないけど、今のスピッツを象徴する曲が『見っけ』だとするならば、これまでのスピッツの世界観を総括できるのは『ありがとさん』だと思ってる。そのくらい全て詰まってる曲。それこそ『ロビンソン』で"誰も触れない二人だけの国"にいた二人のお別れの時を歌っているような。

そして『ありがとさん』からの『楓』…。

もうここまで来たら人生に何の未練もない。『楓』は、初めて生で聴いた時にもう鳥肌済み。昔の、ライブ行ったこともないペーペーの、ただただ性格がひねくれていた私は「『楓』好きとかにわかかよw」って心のどこかで思ってた。でも、生で聴いたらもうそういうこと絶対言えない。この曲が醸し出すセンチメンタリティは群を抜いてる。それこそ、体全体で聴いてるってくらい、肌からこの曲の悲しさが染みてくる…。

あと今回、この歌の歌詞の切なさを改めて知りました。

"瞬きするほど長い季節が来て
呼び合う名前がこだまし始める
聞こえる?"

この部分、以前絵音くんも関ジャム?で確か触れてたんだよね。

でも私も絵音くんと同意見で、「瞬き」なんて無意識にしてることだけどそれを意識するくらい、どこかで目を閉じていた自覚が持てるくらい「全て見ていた」って言えなくなるほどの時間の経過の中で、過去に呼び合った名前がこだまするように、時間差で今になって“僕”には聞こえてきて、ということは今の“君”には“僕”の声が聞こえてるんじゃないかっていう有り得ない希望を抱いてしまって、それが"聞こえる?"という届かぬ疑問になっているんだ、って思って、もうさ、また鳥肌じゃん…?泣きそう。

一曲一曲は正直覚えていないので全て書くことはできないんですが、最初から最後まで満遍なくよかったです。

アンコールが終わってメンバーが捌けた後、後ろの人たち(多分初スピッツ)が「えっこんなあっさり帰っちゃうんだ…ポルノとは違うね…これが普通なんだろうね…」って言ってたので、ポルノのライブどんなやねん、って気になっちゃった。(ポルノって言ってた気がする。違ったらポルノファンの人教えて。)


この世に同じライブは無いから、一回一回、行けた時の有難みを噛み締めています。
ライブ後もまたスピッツとの再会へ!日々負けずに生きていかなきゃいけないなって思える。まだまだこれからも私にはスピッツが必要。次のライブが楽しみです。

2019.12.15記
2020.01.10編集




2021.04.17追記
この後予定されていたMIKKEのホール公演がすべて中止となったので、ツアー完走後にネットの海に放とうと思っていたこのレポートも、このタイミングで手放すことにしました。高崎公演のチケットがまだ手元に残っているというのがずっと唯一の希望だったので、とても無念。でも無念なのは私だけじゃないし、スピッツのメンバーはもっと無念だと思うので、次のスピッツのライブに、次こそは必ず、確実に行けることを願って…。

スピ通信

とあるブリーダーが綴る、スピッツとの“僕”と“君”の話。

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