四国の果てで愛を確かめる。
2017.08.11 志度野外音楽堂テアトロン
SPITZ 30th ANNIVERSARY TOUR THIRTY30FIFTY50
時間ギリギリに臨時駐車場到着。そこから会場までの遠さに驚愕!シャトルバスで30分くらいかかったのかな。途中あまりの遠さに目を閉じたのではっきりとは分からない。どこまで山の中なの?って心配になるくらい山の中だった。そしてバス降りてからも、ステージまでの階段めちゃくちゃ長い。遠い。
しかしそこに広がっていたのは絶景。階段を降りながらその先に広がる瀬戸内海、そして空。香川までも遠かったし、そこからこの会場までも遠かった。でもやっぱり、本ツアー唯一の野外、選んでよかった、当たってよかった。もうこれは間違いなく素晴らしいライブになる。きっとこれから観るライブを私は忘れないだろう。そう確信させる空間がそこにはあった。
やっとステージが見えてきて、半円形になった客席の中を自分の座席めがけて進んでいく。近づくにつれて「こ、こんなに近くていいんですか…?」ってドキドキしてくる。
席についてみると、近い!さすが1列(実質5列目)!フェスティバリーナ@武道館の4列目より、ステージの高さと距離感のおかげで体感もっと近い!しかし前方のA-D列の座席がパイプ椅子並べただけの取って付けた感満載で傾斜がないから、私の身長ではメンバーの顔はちらほらくらいしか見えない。多分いっそ2列の方が俄然見易かったと思う。
が、良かったのは列だけではなかった。「1列 一桁番」だった私の座席、当然一番外側が1番で数が上がるにつれセンターに近づくのだろうと思っていたら、反対にセンターから外にかけて番号上がっていくようになっていた。つまり私の座席は5列目ほぼほぼど真ん中。どうしたチケ運。前回の醒めないツアーを泣く泣く諦めたから?今までで一番の神席と言える。更に、隣が通路だったので広めにスペースを使えた。ライブで初めてこんなに体動かしたっていうくらい跳ねた。っていうか、跳ねないと見えない…。
野外ということで一番心配していた天候も最高で。日中は暑すぎて「これ野外ライブは死ぬかな?」と思ったけど、(リハの時の﨑ちゃんもそう思ったらしい、とMCで仰っていた)、開演頃には暑さも程よく落ち着いた。青空から茜空、茜空から夜空、と、総ての色のスピッツ見られた。途中飛行機雲も見えました。そして虫の声がすごい。横サンの街中野外とは全く違う、正に大自然の中でのライブ。クージー曰く、虫が草野さんのハットの中に入っていく…が出てこない…とか(うろおぼえ)。
セットリストは30周年にふさわしい名曲固め。私はもうちょっと玄人向けなセットリストも好きだけど、例えば初めてスピッツのライブ行く!っていう人でも知ってる曲が多いだろうし、ファンも改めて「これだけいい曲作り続けて30年って凄いな」って思えるであろうセトリでした。醒めないで始まり1987→で終わるの憎すぎる…。スカーレットは初めて生で聴いた気がするけど、とても良かった。私のスピッツは『RECYCLE』から始まっているので、その収録曲を生で聴くというのはとても感慨深い。小学生の頃に聴いていた音楽を、今、四国の果てで、目の前で演奏を見ながら聴いている…。夢のようです。草野さんのボーカルとても良かった。伸びも高音も完璧に出てたしインストに全く負けてない。不思議ですよね優しい声なのにライブでもすごく映える。ハウリングが多かった気がするけど、野外だしあの特殊な会場では仕方ないですよね。そこは景観とのトレードオフかな。
あと夕暮れ時に聴く猫になりたい。半端ない。至福しか感じない。贅沢すぎる。こういう曲をじんわりと味わっていると、やっぱり同じ野外でもロッキンなどのフェスとは違うんだよなあ、というのを実感する。景色が変わりゆく中、20曲以上もスピッツの音楽を聴ける、スピッツと同じ空間に居られる、というその特別感は何物にも形容し難い。
フェスティバリーナの時、楓を聴いて鳥肌が立った記憶が強かったんだけど、DVD買って聴いたら楓はそんなに浮いてこなくて、あれ?って思っていたんですが、今回分かった。スピッツの楽曲の中で楓が一番名曲かと言われたらそれは分からないけど、歌い手草野マサムネを一番魅せられる歌なのかなと。本当に合ってる、草野さんの声質そのものと、この歌が。生で聴くとそれがものすごく顕著に分かる。
そしてラスト、運命の人→恋する凡人→けもの道→俺のすべて、で私のすべては出尽くした。俺のすべてで草野さんがこれでもかってくらい前に出て来て、多分私の席から5mも離れてないのでは?という位置まで近付いてきてくれて。なんで50歳なのにこの人こんな肌きれいなの?と冷静に思う私。近すぎるのか全然手前の客席に目線を合わせてこない草野さん。さすが天の邪鬼!ずっとギターか遠くの客席を見ていた。
アンコール後にはなんと花火が。横サンの時とは違い、ツアー中なのにテアトロンにだけ花火をぶっこんでくださるとは…。この年の初花火を拝ませていただきました。
ゴースカ以来2度目の単身参戦だったのですが、ライブ中は全然ひとりで大丈夫というかむしろひとりの方がいいくらいなんだけど、やっぱりライブの前後が寂しいんですよね…。ライブ前はその興奮を誰かと分かち合いたいし、ライブ後は感想語り合いたいし。ひとりでテアトロンのあの長い階段を登って帰るのは悲しかった…。
とはいえ、もう50歳なのにまだ通過点と言ってくれるのがファンとしてはこの上ない幸せ。
これからもよろしくお願いします。30周年おめでとうございます。
2017.08.12記
2020.01.09編集
以下セットリスト
1. 醒めない
2. 8823
3. 涙がキラリ☆4. ヒバリのこころ
5. ヘビーメロウ
6. スカーレット
7. 君が思い出になる前に
8. チェリー
9. スターゲイザー
10. 惑星のかけら
11. メモリーズ・カスタム
12. エスカルゴ
13. ロビンソン
14. 猫になりたい
15. 楓
16. 夜を駆ける
17. 日なたの窓に憧れて
18. 正夢
19. 運命の人
20. 恋する凡人
21. けもの道
22. 俺のすべて
23. 1987→
EN.1 恋のうた
EN.2 君は太陽
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