再開へ、again.

このご時世、ライブに行ってきましたなんて言ったら不快に思う人も少なからずいることでしょう。

私自身、行っていいのか?今回は見送るべきか?という葛藤が、直前までありました。

でも、このライブに申し込んだ時、MIKKEのホールツアーが何度も何度も延期を繰り返し、最終的に中止とせざるを得なかったあの日々を経て、新しい一歩をと、このNEW MIKKEツアーが始まった時、私は「行けるうちに行けるライブに行かないと、いつが人生最後のライブになるか分からない、行けるなら、行かなきゃ」と強く思った。
なので、昨日の宮城公演も、ライブが行われるのであれば、自分の体調に不安がないならば行こうと、決めたのです。

行けなかった人も、行かなかった人も、行った人も、みんな、すごく考えたと思うし悩んだと思います。
スピッツのライブなのに直前までチケットが完売とならなかったのはその証だし、スピッツもきっとそれを覚悟した上で行ったライブだと思います(だからこそちゃんと黒字になってるのかとても心配)。

それは、昨日の最後のMCでのメンバーからの言葉によく表れていた。(﨑ちゃんだけ何が言いたいのかよく分からなかったけど)
草野さんが最近よく仰る、「この中のひとりでも欠けたらこのライブは出来なかった」という言葉も、最初は「またまた大袈裟な~」と思っていたけど、最終的にはそれは本当のことだなと痛感した。ひとり、またひとり、と欠けていけば、ライブの雰囲気は間違いなく変わるし、最終的には、開催ができなくなってしまうもの。
ライブに行ったことが、今回は万人から受け入れられる行動ではなかったとしても、行った人たちが、すごく気を付けて、声を出さないように、拍手で精一杯スピッツへの感謝を届けることは、スピッツが活動を続けていくためにはすごく大事なことだと思った。

いつもスピッツには、バンド組んでくれてありがとうございます、音楽を続けてくれてありがとうございます、って心底思うけど、昨日はその場にいるファンにも、その場にはいないファンにも、同志たちよ、スピッツを支持してくれてありがとう、これからも精一杯推そうな、という気持ちがありました。



気持ちを書いただけでこんなに長くなってしまった。


最高だったライブについて、備忘録として綴ります。
※セトリのネタバレ大いに含みます。

座席は田村さん側、といっても後方に近いスタンドの11列目、決して良くはない位置だったとは思うけど、会場全体は見えるので雰囲気を味わうにはまあまあ良かったかなと。
見渡す限り、感染予防対策で座席をひとつ跳ばしで設けているにしては全体的に人が多く、埋まっていた印象。
開演前のトイレがそんなに混まなかったのが良かった。

MIKKEの横浜公演以来のライブで、すごくフワフワした気持ちでいた。フワフワしすぎてメガネのまま家を出てくるという有り得ない失態を犯す。
席に着いて、あ~もうすぐ始まる、という瞬間になってもまだ実感が沸かないくらいだったのに、会場が暗転し、ステージセットに光が灯り、『見っけ』のイントロが流れてスピッツの姿が見えた時には自然に涙が溢れました。
スピッツの存在そのものが、ライブが開催されたことが、自分がその場にいられることが有り難くて、マスクの下ビチョビチョかってくらい、暫く涙が止まらなかった。
こんなにライブで泣いたのは初めてなので、自分でもびっくりだし、正直今思い出しながらこれを書いていても涙ぐんでる。

今まで、スピッツのライブに行くと必ずどこかの段階で、ラブソングに対して「私こんな素敵な恋愛したことないのになんでスピッツ好きなんだろ…」という絶対ライブ中考えちゃダメなやつだろそれ、という落ち込みタイムが生じてたんだけど、今回はそれ一切ありませんでしたね。
全部が、『私とスピッツ』の関係性に感じられたので、というと大分痛いファンだけど、もう事実だから仕方ない。

再開へ!流星のピュンピュンで駆け抜けろ
近いぞゴールは
とか、
そんな素直な気持ちで会いに行きたい
愛にあふれた短い言葉を たったひとつだけ
とか、スピッツの歌うたくさんのフレーズに、共感力の低いはずの私の心にどれだけ沁みたことか。

ただ今回のライブは、私にとっては歌詞の意味に想いを馳せるというよりは、終始スピッツが音楽を生み出してくれるその空間自体を楽しむという、馬鹿みたいにシンプルな時間だった。
そしてそれが、結局最高で、満足感しかなく、もう迷うことなく「来て良かった!!」と断言できる体験にしてくれたような。

特に今更のように歌詞の世界観が腹落ちしたのは『水色の街』。
中学生の時に初めて聴いた、『なんか不思議な(変な)曲…』という印象が拭えずにいたんだけど、会場中が水色にキラキラ輝く光の演出は物凄く美しく、変なメロディーの曲だけど、歌詞は大好きな“君”に会いたくて堪らないという、単純で強い嬉しさに溢れている、キラキラした曲だったんだと、改めて思えてキュンとした。スピッツ的に言えばキュッとした…?

本編ラスト『紫の夜を越えて』では、ずっと紫の光の中でスピッツが演奏していて、曲終わりにだけ光が白く広がることで夜明けを表現するというのも素晴らしかったな。

最初から最後まで本当に楽しくて、楽しすぎて泣けて、なんて良い空間だったんだろう…。

三輪さんの仰る通り、またみんながライブを楽しめるようになる日は必ず来る。
その日まで生きよう。何度でも“次”が来るように。
スピッツのライブの後は毎回そう思わせてもらえる。


NEW MIKKEツアーが無事に完走できること、スピッツが末永くスピッツを続けられることを、心から願い、祈っています。


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